メシ漫画感想:ぽんしゅぶ!
料理漫画が好きでよく買います。特に女の子が出てくる奴が多いですね。
ほとんど表紙買いしているので半分ぐらいはハズレです。読んで後悔することもよくあります。今回もしました。
20歳になったばかりの女の子、秋山本希(あきやまもとき)、通称「ぽん」が、日本酒(ぽんしゅ)を仲間と飲んでいるだけ、というコンセプトの漫画です。どうでもいいけど幸腹グラフィティの主人公の町子リョウとかもそうですが男みたいな名前を見るからに女の子してる女の子につけるのは混乱するのでやめて欲しいです。
幼馴染の酔うとタガが外れる男、家が古い銭湯な貧乳ツンデレアイドルなど個性的なメンツが登場します。
絵はキレイなのだが…
絵はとても丁寧です。なのですが、ページ一杯に吹き出しと絵が詰まっている所が多く、読んでいて目が疲れます。
ページ数の制限の関係もあるのでしょうが、とにかく1ページあたりの情報量が無駄に多く、その割に中身があまりあるとは言えないため読んでて頭が痛くなってきます。同じく8ページ程度で1話を構成している「だがしかし」も1ページの情報量が多いですが更に1.5倍ぐらい詰め込まれているので恐ろしいことになっています。
同じようなページ圧縮率に見えて「だがしかし」の方がゴチャゴチャしておらず緩急もしっかりしているため読みやすいです。右下のココノツくんがボヤけてるのは僕のスキャンミスです。対して「ぽんしゅぶ!」は背景やセリフがゴチャゴチャして読みづらい割に中身がない。
美少女マンガということで設定を詰めこみたいのは分かりますが、ある程度オミットしてでも見やすい構成にすべきではないか?と読んでて感じました。
設定を詰め込み過ぎ
とにかくキャラクターに一般人の脳が理解できる以上の設定を詰め込んできます。
まず主人公のぽんは「自分の名前にぽんが入っているから日本酒に興味がある」はいいのですが「大学の飲みサーでは日本酒は見向きもされないから自分で日本酒の部活を作る」「兄みたいな弟がいるが高校生なので酒を飲めない」「頭が弱いからセリフの大半がひらがな」「ロリ巨乳」「見た目も行動も小学生だけど20歳」といった設定を怒涛の勢いで転送してきます。
1人だけだったらまだなんとかなるけど途中から「露骨なツンデレ」「アイドル」「貧乳だけどパッド入れて誤魔化していて本当の状態を主人公に見られて自分がアイドルなもんだからバレたらマズいと思って誤魔化している、主人公はアホだから気付かない」「アイドルだけど実家が銭湯なのを隠している」ぐらいの設定を一気にブチ込んで来るので脳が理解を拒み始めます。なにが問題かって読者がキャラクターを理解する前にストーリーが進んでしまうので感情移入が全くもってできない所ですね。
正直設定の半分はいらなかったと思う。数ページのマンガでする内容ではない。
日本酒を飲む漫画???
本作は日本酒を「ぽん」が飲んでいるだけ、と書いてありますが、飲んでいるシーンはかなり少ないです。1話の中で1度も酒を飲んでいないこともザラです。むしろ物語の大半はその辺に転がっているような美少女マンガのような展開に費されます。主人公がロリ巨乳でもアイドルが貧乳でもなんでもいいからとりあえすとっとと酒を飲んでくれ。
あとメインキャラ3人全員酒に弱いのも設定的に終わっています。だいたい1ページで飲み始めて全員潰れます。ページ数少ないからってメシ系漫画で一番大事な部分を削るのはどうなのでしょうか。せめてうまそうに酒を飲め。
総評
正直なにがしたいのかよく分からないマンガです。とりあえず日本酒マンガという体にしておいて8ページで20ページ漫画の内容を詰め込もうとして謎のおいしくないスープが出来上がった感じです。2巻を買うことはないでしょう。
評価:2/10